KISSでチェンジ!

最悪の事態は安易に想像できる。
「これを見なかったことにして、指定場所に行かなければいい」

いくらか落ち着いてきた良明が冷静な声色で言った。
それが一番いいのかもしれない。

だけど相手は純の下駄箱を知っていた。
学年も顔も名前も知られているということだ。

「今回無視しても、また手紙を入れられるかもしれない」
こんな風に回りくどく人に接してくる相手だ。

しつこくつきまとってくつ可能性だってゼロじゃない。
そう考えた時、ふいに良明のストーカーを思い出していた。

良明を呼び出して、青いクッキーを食べさせた相手。
相手が女子だからといって油断はできないということだ。

純が軽く身震いしていると「それなら俺も一緒に行こう」と、良明が言った。
1人で行くよりもふたりで行った方が動きやすいし安心だ。

「手紙には1人で来いとは書いてなかったし、たぶん大丈夫だろう」
良明がそう続けたのをきっかけに、ふたりの案は決まったのだった。