KISSでチェンジ!

 歩道を振り向いてみたけれど、そこにあるのも見知らぬ景色ばかり。
家へ帰るどころか、来た道を戻ることすら難しそうだ。

 グググッと考えたすえ、純は大きく息を吐き出してまた歩き出すことにした。
 駅とかバスに乗ればきっと家にたどり着くはずだ。

 今日は良明の誕生日だから幸い財布の中にお金は入っている。
いくらかかるかわからないタクシーに乗るようなお金はないけれど、それだけが救いだった。

 そこから先は道路標識を確認して駅へと向かうことに決めた。
 といってもここは駅からも少し離れている場所のようで、なかなかたどり着くことができない。

ようやく電車の音が聞こえてきたときには日は随分と沈んできてしまっていた。
 それでも、明るい中女の姿で歩くことに抵抗があった純にとって、暗くなっていくのは嬉しいことだった。

 幾分顔を上げて歩くことができるようになった、その時だった。