静かな呼吸 -Silent Breath-


病室では、みんな思い思いに過ごしている。


私は、学校の勉強をしたり、趣味の手芸をやったり、音楽プレイヤーにヘッドホンをつけて音楽を聴いたり。


ノアには、頻繁に妹のミシェルちゃんや友達の柳明貴(りゅう めいき)くんが来る。柳くんは中国人らしい。
ミシェルちゃんとは英語で会話するから、何を言っているのかほとんどわからない。
まあ…他人の話を盗み聞きするのは良くないのだけど。

2人とも私に自己紹介してくれた。

「私は、松岡ミシェル。小6よ。ノアの妹です。日本語、あまり得意じゃないんだけど、よろしく!」

「僕は、柳明貴。中国生まれの中国育ち。日本に来てから5年目だけどね。ノアの学校の数少ない友達なんだ」

ノアは今ほとんど学校に行けていないらしいが、一時期行っていたことがあるらしく、その時にできた友達が柳くんだったそう。



それから、花歩ちゃんには両親が毎日来る。まだ小さい彼女が心配なのだろう。
そして時々、花歩ちゃんの両親が来ていない時間にお兄さんの凌空(りく)くん。私より1つ上の高1らしい。

「俺は、宮本凌空で、花歩の兄。よろしく」

あまりおしゃべりな方ではないが、地元ではかなり有名なピアニストらしく、時々演奏会も行なっていると聞いたときはびっくりした。この病院にあるコミュニティフロア(3階)でも月に1回、演奏してくれるらしい。

ちなみに、あとで調べてみると、コンクールで何度か全国1位になったほどの有名人だった。