僕に依存してほしい。【ピュアBL】

 本屋に入って適当なコーナーへ行き本を眺めていると、中学の時は同じクラスで、最近は塾が一緒の同級生、悠生(ゆうせい)くんに声をかけられた。

「あ、歩夢くんだ!」
「あれ、悠生くん」

 悠生くんはみんなに優しくできるタイプの人だった。委員長にも選ばれたりして、周りからも信頼されていた。それに見た目が王子様みたいにイケメンだったから、モテモテ。もちろん僕にも優しく接してくれていた。

「歩夢くん、悩んでいるの?」

 すごい悠生くん。だって、今僕が悩んでいるって分かっちゃったんだから。

「どうして分かったの?」
「だって、それ」

 悠生くんは僕の目の前にある本たちを指さした。目の前には『恋の悩みを解決する系』の本が並んでいた。

 なんにも考えないで店の中を歩いていたら無意識にこの本たちの前に来ていた。

「そうなの……」

 悠生くんの安心感?みたいなのが伝わってきて、つい本音がポロリ。

「歩夢くんが悩んでいるの心配だなぁ。ちょっと話そっか? この本買ってくるから待ってて?」

 悠生くんは重たそうな英語の参考書を3冊持っていて、レジに行った。僕は悠生くんのあとについて行った。

 店を出ると、本屋の裏側にある悠生くんの家に行くことになった。