それから円も応援してくれて、なんとかこたくんを私たちの高校に入学させることに成功したんだけど、重要なこたくんは私のことをお姉ちゃん的存在としか認識していない。
…意識してたら、あんな風に抱きしめることも、あんな甘い言葉をいうこともできないよね。
「はぁ〜姉として謝ります!ごめんねぇ」
申し訳なさそうに抱きついてくる円
「ちょっと、痛いよ〜!」
テニス部のエースは力が強い…
「戸田と榊原、朝から仲良いなぁー!」
太陽のような明るさで現れたのは、
「まっ、松前くんっ。おはよう!」
円の上擦った声に笑みが溢れる。
「はよ!じゃまた教室で!」
こたくんとはまた別の爽やかを持ち合わせた彼は、廊下の奥へ消えて行った。



