「お姉ちゃんみたいなもんだし。」【完】



…ずるい。



思わず俯いてしまう。




「榊原くんっ、おはよう!」



その声に顔をあげると、朝からメイクバッチリで可愛い女の子の姿。


「あ、おはよう」



爽やかに微笑み返す笑顔はいつも通り。



私だけに向けられる笑顔でもないと思い知らされる。



「昨日のドラマ見た?」




「まだ見てないんだよね。録画してる」



嬉しそうに話す女の子のこたくんへの好意は見え見え。



こたくんのためにメイクや、ヘアー頑張ってるんだろうなあ…




「あ、琥太郎くんおはよう」




「おはよう」



一歩、同じ高校の人が多い通学路に入ってしまうとこたくんはもう私とは歩けないほどの女子たちに囲まれてしまう。


続々と女の子たちが集まってくるんだもん。



「…なんだあれ、」



その様子を見て驚いている円。