「こたくんおかしいよ。なんでそんな松前くんのことばかり話すの?」
「……だって、」
「なに?」
「せれねぇは…ずっと俺の側にいてくれんじゃねーの?」
「へ?」
予想外の言葉に思わず、拍子抜けした。
こたくんの顔は西陽のせいか真っ赤だった。
「他の男と話してるところなんてほとんど見たことなかったし。
でも松前先輩と仲良さそうに話してるところ見て、胸が痛くなって……超ムカついた。」
「…え」
「……弟みたいな俺には、1ミリも可能性ない?」
それってまるで…
「俺、せれねぇのことが好きみたい。」
真っ赤な顔をして紡がれた言葉
どくどく脈を打つ心臓、周りの音は無くなった。
全神経はこたくんのものになった。
「それは本当の本当?」
夢みたいで、思わず確認してしまった。



