「お姉ちゃんみたいなもんだし。」【完】



なんとか委員会の仕事を終えて、午前中の授業も受けて、昼休みに円とお昼ご飯を食べながら今朝のこたくんとの話をした。



「なるほど…そんなことがね」




「もう、どうしたらいいかわかんないよ…」



こんなんじゃ、ままお手製のお弁当も喉を通らない。



「通りで昨日も機嫌悪かったのか」


やっぱり家でも機嫌悪かったんだ。


こたくんは良くも悪くも素直だもんね。



「なんで怒らせちゃったんだろう…」



何度考えたって答えは出ない。



「これはいい兆しかもね!」



「ええ、どうしたらそうなるの?」



体育館裏から逃げて来ちゃったし。



もうこたくんには嫌われたことが確定だよ。



何もいい兆しなんてない。




「せれんも鈍感だねぇ」



ニヤニヤしている円は、さすがこたくんの本当のお姉ちゃんだ。


こたくんの気持ちが分かっているんだろうなぁ。