振り向くと唖然としている松前くんと先生たちの姿。
…絶対後で怒られるやつじゃんっ
手を引かれてたどり着いたのは、告白で有名な体育館裏。
先輩とかに詰められる時にもよく使われるよね。
「せれねぇの好きな人って、松前先輩?」
そして私は後者で詰められている。
いわゆる壁ドン、で挑発的に私を睨みつけるこたくん。
「なっ、何いきなり」
「答えて」
…怖い。
なんで私こんなに詰められてるの?
「私は、好きじゃないよ。」
「私は、って何?じゃあ松前先輩に告白でもされたの?」
え、なんでそんな発想になるの?
「な、なんでそんなこと、こたくんが気にするの…」
こたくんにとって私はただのお姉ちゃん的幼馴染なんだから。
それともお姉ちゃんが取られそうで寂しいだけ?
「やめておけば?松前先輩なんて。モテるし」
私の質問は答えずにそんなことを言う。
それも苦しそうに泣き出しそうな顔をして。



