冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情



「ふぅ……ふぅ」

ちょっと冷ましてあげないと。


「はい、埜夜くん。あーんして」

「…………」


「埜夜くん?」

「あー……もう無理」


手で目元を覆うように、深くため息をついてる。


「ゆずのこんな可愛い姿見られるなら風邪も悪くないかも」


「……?」


「俺がおかゆになりたいって思った」

「え⁉︎ 埜夜くん熱のせいでちょっとおかしくなってる⁉︎」


「かもね」

なんて言いながら、おかゆをパクッとひと口。


「えっと、じゃあもうひと口ね。ふぅ……ふぅ。はい、あーん」


「はぁ……俺の心臓破壊されそう」

「だ、大丈夫?」


「自覚ないところほんと困る」

と、こんな感じでおかゆを完食。

薬も飲んであとは寝るだけ。


食器片づけないと。


立ち上がろうとしたら、足がちょっと絡んじゃって埜夜くんが寝てるベッドに飛び込んでしまった。