冷酷執事の甘くて危険な溺愛事情



この声……ぜったい埜夜くんだ。

「はぁ? お前いったい――」

「……離せって言ってんだよ」


この場の空気が凍りそうなくらい……鋭くて冷たい声。


「なんだお前? 邪魔するつもりなら容赦しねーよ?」


相手は三人もいて、埜夜くんが圧倒的に不利な状況。


わたしのせいで、埜夜くんを危険に巻き込んでる。


「……汚い手でゆずに触るな」


「はぁ? お前のその口の利き方ムカつくんだよ!」


ひとりの男の子が、埜夜くんに拳を振りかざした瞬間。


怖くてとっさに目をギュッと閉じてしまった。


その直後、人が殴られたような鈍い音がして。


少しの間をおいて、地面にドサッと倒れ込む音も耳に入ってきた。


「……ぐはっ、ま……て」