「僕は柚禾が笑ってる顔が好きだから」
なんの迷いもなく、はっきり伝えてくれる。
重なってるだけの還琉くんの手に、ほんの少しだけ力が入った。
「あと少しだけ……柚禾の時間を僕にくれる? 伝えたいことがあるんだ」
何かを決心したような、真っすぐな瞳だった。
* * *
「わぁ、ゆっくりだけど少しずつ上にあがってるね」
「小さい頃の柚禾は高いところ苦手で、よく僕に泣きついてたよね」
「それは忘れてよぉ……。今は平気だし」
「ははっ、忘れないよ。僕にとっては大切な思い出だし」
最後にふたりで観覧車に乗ることに。
ここのテーマパークの観覧車はとても大きくて、一周するのに十五分くらいかかる。
向かい合わせで座ってる還琉くんの目線が、ゆっくりわたしのほうに向いた。

