深月の薄いグレーのマフラーを、適当に首に巻いてやる。

「ありがと……」

「ん。
気を付けて行って来い、迷子になるなよ」

「ならないってば!
もう!
行ってきます」


しばらくして戻ってきた深月は、と手に2つの袋を下げていた。

カステラは私の分だけだけど、八百屋が作る本気のフルーツサンドが気になって!

フルーツサンドなら、そこまで甘すぎないから、ミッチーも大丈夫かな、って思ったから2つ買ったの。

プリンだけど、すぐお腹空いちゃうでしょ。

どこかで何か食べる予定だったなら、別なんだけど」

「ありがとう。
有り難く貰うね。

そういう気遣いがごく自然に出来る深月は俺の自慢の彼女だなぁ、って。

最高すぎる。

……そういうところ、好きだよ。

深月が俺にプレゼントくれたの、すげー嬉しいの。

俺の方も一緒に深月の欲しいものプレゼントしたい気持ちもあるけど。

予定変更して、可愛い深月を甘やかしたい。

ダメかな?深月」

深月は、ゆっくりと首を横に振った。

「いいよ。
どうせ、クリスマスなのに仕事で、両親も家にいないし」