だけど、友達を見捨てられるわけないし逆らったら、この場で友人が殺されるかもしれない。
「私が従ったら、愛を離してくれる?」
「もちろんだよ。さぁ、早く!!」
嫌な気持ちをぐっと我慢して、一歩を踏み出した。
その時だった。
視界の横で何かが動いた。
すばしっこくてーー目に見えたのは、黄色いジャージ。
あれって……。
目を見開いて、前を見たら正体がわかる。
「怜音先生っ!?」
あっと息を呑む刹那だった。
怜音先生は潤の背後を駆け抜け、潤の脛を蹴ってバランスを崩させる。
力が有り余ったのか、潤は左向きに愛と一緒に倒れてゆく。
「お前ッ……誰だっ!!」
一気に血眼で、離れた愛に掴みかかろうとするけど怜音先生が愛をささえ奪い取る。
「愛……っ!!しっかりしろ!!早く霞の元へ!!」
「ありがとう……怜音さん……」
愛はそう言うと、私の元へ駆けてきて思いっきりハグをしてきた。
飛びついてきたという表現がただしいのかもしれない。
「怖かったよーー!!霞っ!!」
「ごめんね……愛……こんなことになってしまって……」
まぁ、元はといえば潤が悪いんだけどね。
「お前……こんな所で何しに来たんだ?」
怜音先生は潤の胸ぐらをつかみ、ナイフを傾ける。
首筋に一筋の冷や汗をかいている潤。


