家出少女の反抗


鋭い眼光を宿すその目はどれくらいの生徒を指導室送りにしたのか、考えもつかない。


こんな時にだけ「先生」という生き物はちゃっかり仕事をして、「生徒」側が根を上げたら手助けもせず引き返す生き物のくせに生意気だ。

(そうでなければ、この高校の不登校が全学年、全クラスの中で5人くらい毎クラス出ているなんて計算はないはずだ)

いつの時代も如月高校の教師はそれが当たり前で、「常識」として生徒もろとも流されているのだろうけど。


「煙草を吸う生徒を指導した」というありきたりな称号を校長からもらい仕事が終わった後仲間と酒でも飲んで、「今日は俺、私、良いことしたー!!」なんて褒め称えるこの学校の先生の姿が思い浮かぶ。





想像しただけで、吐き気がしそうだ。




偽善者ぶるのも、良いところ。



ーーー生徒のことなんて、これっぽっちも考えていないくせに!!


この鹿田先生も裏では気に入ったかわいい生徒にだけ携帯番号を交換しているのを、私は眼下に焼き付けている。

はっきりこの目でニヤけた顔をした鹿田先生が学年一のマドンナに、渡してる姿を。

そんでもってそういう生徒にだけ鹿田先生は依怙贔屓しているのを、学校の噂でよく私が耳にしていないとでも思っているのだろうか?

ふざけた真似も、大概にしてほしい。


手慣れた犬と、同じ扱いをしてればいいとでも?


私に厳しく当たるのは結局は「可愛くもない、扱いにくい面倒臭い生徒」だと腹の底から理解しているからでしょ?


いっつも容姿的にも可愛い生徒の前では怒る回数が天地がひっくり返ったかの如く、格段と減る姿を目撃していないとでも油断しているに違いない。


結局この人は私自身のためを思って、注意しているわけではないのだ。


結局は自分の「快楽道具」として「生徒」を叱り、「利用」している悪徳人間。


そうやってこの鹿田先生は、生徒指導員という地位を築いたのだ。

この鹿田先生は相当な悪党極まりない反面教師に、違いない。


心の底から、視界に入らないでほしい。


でもこんな教師は、この如月高校のほんの一部の序章に過ぎない。

もっと悪質な先生もこの高校には集まっているようでーーあたりを見渡せばそこら辺に生えている雑草の数ぐらいに、ごまんといるのだ。


こういうときにだけ善行を働く鹿田先生も、この如月高校の生徒を舐め腐っている先生も宇宙の塵となってしまえ。

そうしてしまったほうが学校のためにも、生徒のためにも、世のためにも安全で安心できるし皆平和に暮らせる。

そんな軽蔑な冷ややかな目線を向けている事を、この鹿田先生はきっと知らない。

あーあ……もう少し、早く帰ってたらバレずに家まで直行できたはずなのに。



今日は一体どんな悪いことをして、こんな罰当たりなことが起きているのか……。


考えてもさっぱり、心当たりがない。

この世に神は、いないと信じてしまうほどの凶日。

貧乏神にでも取り憑かれているのではないのかと、疑心暗鬼になり気が狂いそうだ。



「さっさと、クビにならないかなー」と心のなかで悪態をつきながら、私は煙草を鹿田先生に差し出す。