確かに愛という少女は、性格的に苦手分野に位置するタイプではある。
でもそれさえを許せる想像から出てきたような美貌は、その我が儘な自我さえも打ち消してしまう力を持ってる。
ーー可愛いって、正義なんだな……。
何だか同じ女として、落ち込む。
ーー人生ってのは、不公平だな……。
落胆した後黒を貴重とした高級そうな置物に目を通し、高級マンションから見える夜景をぼんやりと見てた。
「どう?気に入った?ここ?」
コーヒーを2つ持ってきた優は、私にマグカップを一つ渡してきた。
「個性的な人ですね……その愛ちゃんって」
「ああ。あいつね。あの男好きの性格だったから、なかなか痛い目にもあってたみたいで……トー横キッズ仲間にも嫌われてたみたいだけど……可愛そうだから暫く住まわせてるんだ」
夜景の景色を黄昏れて何処か遠い目をしながらコーヒーを飲む優は、私の知っている大人とは少し違った。
言葉では上手く表せないが、「寄り添いやすい雰囲気で深く無理に聞かない」そんな優しい所が少し見え隠れする。
「でもさ……あいつ物わかりいいし……人の彼氏を奪い取るようなあざとは持ち合わせてない。長年女を見てたからーーそれだけは肌身でわかる」
「どうしてそうだって、言い切れるんですか?」
「こればっかりは……長年のキャリアとか勘だって言い難い」
「………それじゃ、確信な証拠がないじゃないですか………」