「はぁっ……はぁっ……デジャブ...。」
(今日どんだけ走ったんだろ...明日絶対筋肉痛になる...)
私は呼吸を荒くしながら教室に戻った。
教室の扉を開けると、くるみちゃんはもう身支度が終わっていた。
「はぁ...ごめん遅れた...」
「もうー…!どこ行ってたのみつはー!」
「ごめんごめん、ちょっと保健室行ってて、」
「え、!保健室、?大丈夫?」
「うん、ただ指紙で切っちゃっただけだから、今急いで準備する。」
「そっか、あるあるだよね。私もよくある...。」
・・・
「よし、身支度終わったし行こう!……ってどこで申請するの?」
「えっとねー…確か生徒会室だよ!説明とか受けるみたい。」
「せ、生徒会室か...。緊張するな...」
・・・
申請する人はもう帰ったのか、生徒会室の周りはシーンとしていた。
「コンコンコン...失礼します」
「……どうぞ。」
ドアの奥から聞こえる聞いた事ある声。
私は嫌な予感がした。
ドアを開けるとそこには豪華な大きいテーブルがあった。
嫌な予感は見事的中。
1番奥の椅子にあの保健室にいた男の子が座っていた。
男の子の口元が微かに動いて
「おかえり。」
と呟いた気がしたのは多分気のせい。
(生徒会長だったの!?.....さっき蹴ったのやばかった...??)
(退学だけは避けたい退学だけは避けたい退学だけは...)
「み、みつは、大丈夫?なんかぶつぶつ唱えてるけど、、」
「え、あぁごめんごめん...!ちょっと考え事してただけ!」
「それならいいけど...」
・・・
そして色々な書類に名前を書き、寮について説明を受け、
ついに地獄の時間が終わり、帰るところ だった。
微かに甘い香りを感じる声が、耳元で囁かれ、脳内に伝わってくる。
「君は少し生徒会室に残ってもらえる?」
耳元で囁かれるその言葉は色んな意味で身体中の鳥肌が立った。
くるみは何かを察したのだろうか、そそくさに生徒会室を出ていき、
「あ、先に寮拝見しておくね...!じゃ!また後でっ!」
と言葉を残し走って行ってしまった。
静まり返った生徒会室に残された私と保健室の男の子。
「で...用件はなんでしょうか...?」
「自覚がないのか...困った人だ。」
「……簡潔に説明しよう。さっき君が保健室から走り去った時にこれを落としていったんだけど」
そう言って男の子はとある物を取りだした。
(それは……蒼真君の生徒手帳...!...)
(走る時いきなり動いたから反動で落としちゃったのか...。)
「心当たりがあるようだね?では一つ聞いてもいいかい?」
「なぜ、蒼真の生徒手帳を持っていた?」
男の子の笑顔が消える。
静まり返った生徒会室だからか余計怖い。
「……。」
「何も言えないということは盗んだって解釈で良いのかな?」
「それは違います...!!!廊下に落ちてたので拾っただけです!!!」
「ではなぜ先輩方に届けなかったのかな?先輩方の方が蒼真のことを知ってるはずだが?」
「それは...」
「……からです.....。」
「?」
「...だーかーらーっ!私が、直接渡したかったからですっっ///!!!」
「……は?お前、まさか、蒼真のこと好きなの……?」
「そ、そうですけど...て...ていうか、あなたには関係ないですから、!!」
「…へぇ、なるほどね...。」
「……もう全部言いましたから帰っていいですよね...!!?それでは!!」
(好きなことばれちゃった...今なら恥ずか死ねる...!!!)
私は逃げるように、生徒会室のドアに手をかける
「失礼しました!」
「待て、まだ話は終わってない」
男の子はドアに手を付き、私を完全に囲んで逃げられないようにした。
よく小説で出てくる場面。
そう。いわゆる、【 壁ドン⠀】 と言うやつだ。
「はー……またすぐ逃げる、これだからヤギの血が入るとめんどくさいんだよな…」
「……!」
「……。」
「…………だから、違うって言ってるじゃないですか。」
「ははっ...君って見かけによらず、結構図太いんだね?」
「..もう私から言えることは何もありませんから、帰らせて下さい…!!!」
「忘れたの?さっきお前俺の事蹴ったこと」
「…え?」
「現在4名しか居なくてね。とてつもなく人数不足で困ってるんだよね。」
「そこで君が生徒会に入って雑務係してくれない?」
「その代わり、入ってくれたら蒼真との関係が進むように援助してあげるよ。蒼真は生徒会の1人だからね。」
「どう、悪くない条件でしょ?」
「絶対入ります!!!!!!!というか入らせてください!!!!!!!!!!!」
「おお本当に?では手続きはしておくから明日、放課後ここに集合で」
次の日 生徒会自己紹介→蒼真見つける→蒼真近寄るけど邪魔してくる→いつの間にか優先が変わっていた→好きと気づく→意識する→デートとか→告白
→ゴール恋人
番外編
そのあとの話

