あぁもう、神坂医師に隠していることは何もない。
職場の戸部先生に相談しようかと思ったけれど、これ以上幻滅されたくなくて言えなかった。
仕事くらいは一人前だと認められたい。
だからこそ、今までプライベートでの弱音は一度も吐いて来なかった。
面倒見のいい先生だから、相談すれば、きっと親身になってくれるだろう。
だけど、そんな風に甘えることが私にはできない。
「あ、ごめんね。看護師が呼びに来たから、一旦電話切るね」
「はいっ、お忙しい中、すみません」
「じゃあ、また後で」
通話を切り、溜息が零れる。
誰かに打ち明けることができただけで、だいぶ心の凝りが解れた。
やっぱり彼は、王子様だ。
いつだって危機に陥ってる私に優しく手を差し伸べてくれる。
冷蔵庫を開けて、溜息と共にドアを閉めた。
お腹は空いているけれど、食欲がない。
「珈琲でいいか」
カプセル式の珈琲メーカーにカプセルをセットして、床に座り込んだ。
次から次へと暴露する形で羞恥部分を話してしまったことに、夕映の心は深いダメージを負っていた。
勉強も仕事も恋愛も全て上手くいっていると思っていたけど、まるで絵空事だ。
人よりちょっとだけ勉強ができただけ。
就職はできたけれど、まだまだ半人前。
『愛されてる』だなんて、何を勘違いしてたんだろう。
惨めすぎて悔しくて。
悲しくてやりきれなくて、涙が溢れ出る。
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愛用の浴用化粧料を湯に溶かし、シャワーでお湯を張る。
単に湯に浸かるのではなくバブルバスに浸かるのが、夕映のお気に入り。
久しぶりに入念にヘアパックを施し、体を洗っていた、その時。
「早まるなっ!!」



