白衣を着た悪魔の執愛は 不可避なようです

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「夕映」
「……んっ」
「起きれるか?」
「……今、何時ですか?」
「もう昼過ぎてる」
「……えっ、ぁっ…」

彼の言葉に驚き起き上がろうとしたのだが、腰が軋んで鈍痛が走る。
昨夜はあの後、結局ベッドに雪崩れ込んで、彼に隅々まで愛された。
お陰で、健康だけが取り柄の夕映だが、体が重くて俊敏に起き上がれない。

「次からは手加減して下さいっ。これじゃあ、仕事になりませんよ」
「その口調直したらな」
「っ……」

ニヤリと冷笑した彼は、私のおでこにキスをした。

「冷めないうちに来いよ」

起こしてくれないの?
こういう時は、支えてくれるもんじゃないの?!

「もうっ!誰がこんなんにしたのよっ!!」

クククッと喉を鳴らしながら立ち去る彼。
寝室のドアがバタンと閉まり、夕映は枕を思いっきりドアに投げつけた。

「痛ったたたたたっっっ……」

夕映は悶絶しながらゆっくりと起き上がった。

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「わっ、招き猫」
「ここは、歴史上初めて夫婦と言われる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)伊弉冉尊(いざなみのみこと)が祀られている神社で、縁結びのご利益があるらしい」
「……そうなんですね」

入籍して一週間。
まだ知り合って半年だけれど、今まで出会った人の中で彼が一番惹きつけられる。
吸引力というのか。
どんなに足掻いて抗おうとしても、結局は彼に惹かれてしまっているのだから。

台東区にある今戸神社。
招き猫の発祥の地ともされているようで、境内にはたくさんの招き猫がある。

「猫アレルギーだけど、これなら触れるだろ」
「はいっ」

覚えててくれたんだ。

「この招き猫を待ち受けにすると夫婦円満らしい」
「そうなんですか?」
「お揃いにするか?」
「いいですね」