白衣を着た悪魔の執愛は 不可避なようです

**

倦怠感に襲われ、瞼を押し上げる。
薄暗い室内は冷房が効いていて、スーッと肌を撫でる冷気にドキッとした。

えっ、何でまた下着姿なの?

デジャヴとも思えるこの光景。
顔を横に振り、視界に映る人物をじーっと見据える。
やっぱり服を着ていない。

時間を確認すると深夜二時半。
私は帰宅してそのまま寝落ちてしまったらしい。

「ん?……あっ」

手首にブラッドバンが貼ってある。
寝ている間に彼が点滴を施してくれたようだ。

腹痛や胃もたれしててもおかしくないほど食べたはずなのに、胃もたれはしてなさそうだ。
とはいえ、自分だけ薬を服用して対策してただなんて。
今思い出しても腹が立つ。

気持ちよさそうに寝ている彼の鼻をぎゅっと抓んだ、次の瞬間。

「んっ……」
「悪戯できるほど回復したなら、俺の相手しろ」
「ッ?!!」

手首を掴まれ、パッと視線が交わる。

「起きてたんですか?」
「フリーになったのに、お預け喰らってる身にもなれ」
「っ……」
「気持ち悪くないか?」
「……はい」
「ならよかった」

フッと和らいだ表情にドキッとしてしまう。
騙されたらダメだ。
彼は自分だけ自己防衛した人なんだから。

「シャワー浴びるか?」
「……そうですね」

前回の時もそうだが、シャワーを浴びに行くのに下着姿でベッドから出るのには抵抗がある。
素っ裸を見られた相手とはいえ、あの時は一瞬……いや数秒?だった気がする。
下着姿とはいえ、恋人でもない男の人に堂々と曝け出せるほど自信もない。

「目、瞑ってて貰えますか?」
「別にもういいだろ」
「よくありませんよっ!」
「一緒に風呂入るのに?」
「へ?」