「拓海さん……」
気が緩んで涙が滲んだ。
「手を離せ!」
拓海さんが来たことで康太くんは我に帰ったようで、私の腕を離し、弱気な声を出す。
「ごめん、俺……そんなつもりじゃ」
「そんなつもりじゃないならなんだというんだ。菜乃花がケガでもしたら承知しないぞ!」
拓海さんの剣幕に、康太くんは罰が悪そうに視線を落とした。
「ごめん、菜乃花」
「ううん、こっちこそ。あの、私……」
拓海さんの腕にそっと触れる。
「私はこのひとが好きなんです。過去のことはどうでもいい。ずっと、このひとのことが大好きなんです」
康太くんが目を見開く。多分、隣の拓海さんも似たような表情をしているだろう。
けれど、素直に出てきた言葉に、一番驚いたのは私かもしれない。
「そうか」
康太くんは視線を落とし、それから顔を上げて複雑そうに小さく微笑んだ。
「菜乃花と拓斗くんが幸せなら、それでいい」
「じゃあな」と康太くんは背を向けて帰って行った。
それを見送ってから、拓海さんは口を開く。
気が緩んで涙が滲んだ。
「手を離せ!」
拓海さんが来たことで康太くんは我に帰ったようで、私の腕を離し、弱気な声を出す。
「ごめん、俺……そんなつもりじゃ」
「そんなつもりじゃないならなんだというんだ。菜乃花がケガでもしたら承知しないぞ!」
拓海さんの剣幕に、康太くんは罰が悪そうに視線を落とした。
「ごめん、菜乃花」
「ううん、こっちこそ。あの、私……」
拓海さんの腕にそっと触れる。
「私はこのひとが好きなんです。過去のことはどうでもいい。ずっと、このひとのことが大好きなんです」
康太くんが目を見開く。多分、隣の拓海さんも似たような表情をしているだろう。
けれど、素直に出てきた言葉に、一番驚いたのは私かもしれない。
「そうか」
康太くんは視線を落とし、それから顔を上げて複雑そうに小さく微笑んだ。
「菜乃花と拓斗くんが幸せなら、それでいい」
「じゃあな」と康太くんは背を向けて帰って行った。
それを見送ってから、拓海さんは口を開く。


