会計の待ち合いソファに座り、ついさっき渡されたエコー写真をじっと見つめる。
見れば見るほどひとの形をしていて、口元がにんまりと緩んでしまう。
お腹にそっと手を当てる。
ここに、拓海さんとの子どもがいるんだ……。
最初から産むという選択肢しかなかったのだ。
だって、大好きなひとの子どもだもの。
ただシングルマザーになる覚悟がなかっただけ。
けれど産むからには、シングルマザーでも立派に子どもを育てなきゃ。
こうなると金銭面の問題が出てくるな。
やっぱり院長先生から少しお金をもらっておけばよかったかもしれない……。
今になって後悔する。
「小鳥遊さーん。小鳥遊菜乃花さーん」
会計で名前を呼ばれ、「はい」と立ち上がる。
「小鳥遊菜乃花……?」
低い声が横からぽつりと聞こえ、そちらに目をやると、知っている顔があった。
白衣の彼は目を丸くしている。
奥二重の目に、男性らしい鼻立ちと薄い唇。右の目元にはほくろ。
『いや、なんかさあーー』
いつかの記憶が蘇って、足がすくむ。
井崎康太(いさきこうた)。
高校の時の恋人で、私を傷つけた張本人だ。
そういえば、康太くんは医師になりたいと言っていた記憶がある。
まさかこんなところで会ってしまうなんて……。
「あ、おいっ」
咄嗟にロビーを駆け出た。
見れば見るほどひとの形をしていて、口元がにんまりと緩んでしまう。
お腹にそっと手を当てる。
ここに、拓海さんとの子どもがいるんだ……。
最初から産むという選択肢しかなかったのだ。
だって、大好きなひとの子どもだもの。
ただシングルマザーになる覚悟がなかっただけ。
けれど産むからには、シングルマザーでも立派に子どもを育てなきゃ。
こうなると金銭面の問題が出てくるな。
やっぱり院長先生から少しお金をもらっておけばよかったかもしれない……。
今になって後悔する。
「小鳥遊さーん。小鳥遊菜乃花さーん」
会計で名前を呼ばれ、「はい」と立ち上がる。
「小鳥遊菜乃花……?」
低い声が横からぽつりと聞こえ、そちらに目をやると、知っている顔があった。
白衣の彼は目を丸くしている。
奥二重の目に、男性らしい鼻立ちと薄い唇。右の目元にはほくろ。
『いや、なんかさあーー』
いつかの記憶が蘇って、足がすくむ。
井崎康太(いさきこうた)。
高校の時の恋人で、私を傷つけた張本人だ。
そういえば、康太くんは医師になりたいと言っていた記憶がある。
まさかこんなところで会ってしまうなんて……。
「あ、おいっ」
咄嗟にロビーを駆け出た。



