極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む

 アパートに帰り、手洗いうがいを済ませたあと、子ども番組をつける。拓斗がそれに夢中になっている間に夕飯の支度だ。
 今日は色々あって頭がパンク状態なので、簡単にチャーハンと作り置きの冷凍餃子、スープで済ませることにした。
「拓斗、おいしい?」
「うん! おいしい」
 拓斗はもぐもぐと口を動かしながら、くぐもった声で言う。
 さっきのこと、拓斗はどう思っているのかな。
「……ねえ拓斗、さっきの男のひとのことどう思った?」
 拓斗はきょとんとして首を傾げる。
「たくみくん? たくととなまえがにてる」
 似ているけれど、今したいのはそんな話じゃない。もどかしく思いながら、別の尋ね方を考える。
「怖そうとか、やさしそうとか、そういうのは?」
 拓斗はスープをずずっと啜って答える。
「やさしそう」
「そう……」
 まあ、怖そうな態度ではなかったもんな。
「ねえママ。たくみくんとぼく、あったことある?」
「え?」
 思わずぎょっとする。
「どうしてそう思うの?」
 拓斗は「んー」と唸って答える。
「なんかそうおもったの」
 涙が出そうになった。拓斗が言ったことにそんな意味はないのかもしれないけれど、もしかしたら親子のつながりをどこかで感じ取っているんじゃないかと思ったから。
 「ママ?」
 首を傾げた拓斗にハッとして、笑顔を作る。
「会ったことはないと思うよ」
「ふうん」
 拓斗はそれから保育室のお友達の話を始め、拓海さんについての話はそれきりになった。