——あとにも先にも一度だけ。
彼の家に、試験勉強という名目で遊びに行ったときだった。
しゃべりながら勉強をしていても当然捗るわけがなくて、手が触れ合ったとき、雰囲気のまま唇を重ねた。
何度もキスを交わしながら、すぐ後ろにあったベッドに押し倒される。
やわらかい唇と覆い被さる温かい重みを感じながら、ドクンドクンと壊れそうなくらい心臓が音を上げていた。
私から告白して付き合い始め、一ヶ月。
まだ早いんじゃないかと思ったけれど、部屋へ行くという時点で、そういうことが起こりうる覚悟はしていた。
だって彼はかっこよくてモテるし、きっと経験豊富で慣れているだろうから。
カッターシャツのボタンがひとつずつ外されていく。
これから起こるであろう未知の出来事に怖さはあったけれど、彼ならいいと思った。
大好きだから、全て捧げたいと思った。
……そう、大好きだったから。
上半身の肌が涼しい空気に触れたとき、彼の手が止まった。
『……どうしたの?』
閉じていた瞼を開き、問いかける。
彼はため息を吐いて起き上がった。
『やっぱりやめようか』
『え、どうして?』
『いや、あのさあーー』
彼の家に、試験勉強という名目で遊びに行ったときだった。
しゃべりながら勉強をしていても当然捗るわけがなくて、手が触れ合ったとき、雰囲気のまま唇を重ねた。
何度もキスを交わしながら、すぐ後ろにあったベッドに押し倒される。
やわらかい唇と覆い被さる温かい重みを感じながら、ドクンドクンと壊れそうなくらい心臓が音を上げていた。
私から告白して付き合い始め、一ヶ月。
まだ早いんじゃないかと思ったけれど、部屋へ行くという時点で、そういうことが起こりうる覚悟はしていた。
だって彼はかっこよくてモテるし、きっと経験豊富で慣れているだろうから。
カッターシャツのボタンがひとつずつ外されていく。
これから起こるであろう未知の出来事に怖さはあったけれど、彼ならいいと思った。
大好きだから、全て捧げたいと思った。
……そう、大好きだったから。
上半身の肌が涼しい空気に触れたとき、彼の手が止まった。
『……どうしたの?』
閉じていた瞼を開き、問いかける。
彼はため息を吐いて起き上がった。
『やっぱりやめようか』
『え、どうして?』
『いや、あのさあーー』



