極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む

「君の自宅はどのあたりだ?」

 急な問いかけに、え、と声が漏れた。

「呂律もよく回っていないし、その足取りじゃ危ない。俺は用事があってこのパーキングに車を停めてたんだ。送って行く」
「そんな、そこまでしていただくわけには」
「ドライブがてらちょうどいい。行こう」

 先生は再び腕につかまるよう促す。
 頑なに拒否するのも失礼だろうし、正直なところ、今の状態ではひとりで駅へ向かい、電車に乗って帰るのは難しい。
 素直にお言葉に甘えることにして、先生の腕に手を添えて歩いた。
 駐車場に入ると、ご主人様の帰りを待っていた黒いセダンのライトが二度光った。

「お邪魔します」

 おずおずと助手席に乗り込むと、ディフューザーの甘いムスクがほんのりと香った。
 運転席の先生は早速エンジンをかける。