問題児は座敷わらし

少しだけほんの少しだけ、あの生徒ことが脳裏に過ぎった。
それは、怒鳴られていた生徒ではなく、背筋が伸びた先生でもなく、屋上の前でぽつんと1人でいたあの生徒だ。

何をあんなに怒られていたのだろうか。
大人が、先生があんなにも怒るのだから、
何か大きなことをなったやらかしてしまったに違いない。
普通ならそっちに興味があるはず。

あんなに怒鳴る大人もどうなのかと思ってしまうが、そんなことより理由が知りたい。
ただの興味。

普通ならそう思うはずだ。

でも、屋上のあの人は何に涙を流していたのだろうか。
僕が階段を降り始める頃、涙が見えた。

関わらない方が良いとは思っている。
それでも、どうしても気になってしまう。

だから、屋上の扉の前に行ってみることにした。
多分迷惑。
多分変。

授業はこれから始まる。
それでも、僕の心の中であの人に話しかけると決めた。