「お待たせ、桜也!遅くなった!」
入口のゲートをくぐるといきなり光杞が誰かに声をかけた。
「遅っせぇ、寒いし待ちくたびれた。」
聞き慣れた口の悪い言葉たち。
「は……っ…?!え…?何で……っ?」
思わず叫ぶような声を上げてしまう。
……だって…、
そこに待っていたのは……
いるはずのない桜也と柚燈がいたから。
「は…?どういうこと?その声……、そこにいるの椛なの?」
すごく好きだった、涼やかな柚燈の声が耳を揺らす。
「え、う、うん…そうだよ。柚燈はどうしてここに……?」
どうやら、柚燈もなにも知らないらしい。
声から相当戸惑ってるのがわかる。
…何が起こっているの……?
朝から予想外のことばかり起きて頭がぐるぐるする。
分からなすぎて縋るように光杞を見た。
「ってことで!ここからは2人でね?……この前の、頼ってくれたお礼だよ。」
コソッと呟かれて大体のことを悟った。
……まさか、本当に…?
光杞は、あの言葉を実現させてくれたってこと……?
「ありがとう…っ、本当にありがと光杞。」
「うん、当たり前だよ。幼馴染だし私たち親友でしょ?」
にっこり笑って手のひらをこっちに向けてきた。
「ありがとう、光杞。…あと、桜也も。2人が示し合わせてくれたんでしょう?」
「まぁな。…ちゃんと自分の想いを話せよ、二人とも。」
……本当になんて優しい幼馴染だろう。
「うん。」
「あぁ。ハル、光杞も、ありがと。」



