俺には
たくさんの彼女がいる。

周りからどう思われたっていい。

浮気性?

タイガーウッズみたいに
セックス依存症だとか
思われてもいい


いろんな人と遊びたい。


遊んで何が悪いんだ。


嫌なことされたら
ビンタされる。


彼女がたくさんいるんだから
双方で
ヤキモチ妬かれるのは当たり前。



でも叩かれるのは
別な理由。




約束していた時間に
何時間も来なかったら。


それでも
彼女は
待っていてくれた。



叩かれても平気だ。



そう、そう言うのは気にしない。




ある日、俺は
美咲とカラオケに行く約束をした。


駅前のモニュメントで待ち合わせしていた。

遅刻で怒られるのは嫌だから
約束の10分前に待っていた。

待ち合わせ場所の
遠いところから
美咲を
眺めるのが好きだ。


今日の美咲はやけに気合いが入っている。


スニーカーに
ニーハイソックスを履いて
ロングのふわふわカール
黒のホットパンツに
肌触りのいいセーター

つけまつげに
アイシャドウ
アイライナー
白い肌。

俺は
トレーナーとジーパンに
ダウンジャケット。

割とシンプルな格好だ。

「あれー、今日は私が早いね。」

後から来たように装う。

「いやいや、
 1番を美咲に譲っただけだよ。」

「またまた。
 知ってたよ。
 遠くで悠がこっち見てるの。」

 俺は、ジャケットのポケットに
 手を突っ込んでいた。

「うそ。まじで?」

「うっそー。
 かまかけてみただけ。
 本当に待ってたの?」

「あ、ああ。
 そうだけど。」

 時々、美咲の行動がわからない時がある。

 記憶の覚え間違いか。


「前もそんな感じのことあったよね。」


「え?
 そうだっけ。」

「そうだよ。」

 美咲はそう言ってるが、
 俺にとっては
 華鈴とデートした時のことだと
 思っていた。

 美咲が見てるはずがない。

「あ、そう。
 まぁいいや。
 カラオケ、だろ。
 行こうぜ。」

「うん。」

 美咲は俺の左腕をつかんで
 いつも行くカラオケの店に足を進めた。


 日曜日は、どこもかしこも
 人がいっぱいだった。

 電車の発車ベルが近くまで聞こえていた。