―朝


「…いってきます」


「「いってらっしゃ~い」」



…朝っぱらからどんだけ親馬鹿なんだか。




私は優史と会いたくなかった。

だからワザと…


違う電車に乗った。



プシュゥゥゥ

“扉が~閉まりま~す、扉が~閉まりま~す”






「はぁ~…」



大きな溜息をつきながら、椅子に座った。



――――そのとき!!!!




「… …」



「待って!乗ります!」


「…ゆ、うし?」



扉の閉まる瞬間、挟まってきた。

((自分から????


そして私にすぐ気づく。


…いつもの列車に私がいないことが

わかったんだろう。




いつもは…

はぐれないように…

前から“2番目”のドアから乗ることにしていた。




今思えば、

何故2番目だったのか、が謎。



「…紅!」


「なんでいるの?」


「は?だって、毎日学校行ってんじゃん!」



「え…、だって…、今日は…」



「つーか、置いてくなよ~。お前んち

行ったら“もう行きました”とか

親御さんに言われたし…、なんかニヤ

ついてたし…」







―え… …


普通に接してくれてる?


もしかして、

忘れようって…こと?



「なぁ、聞いてる?…紅?」


「… …優史~…」




ポロポロ涙が零れ落ちた。

いつまでも

止まらない…((((゜Д゜;))))


ヤバす!


すると、ついに…



―ギュッ


「…泣くなよ」


「やだ、無理」


「超目立ってるんですけど」



「…いーもん」


「カップルでもないのに?」




「いーんじゃない?」


「…ま、でも…」


「でも?」



次の言葉で、

もっと溢れ出した。