「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「すみません。早とちりしてしまって……」
「いいえ、お気持ちはわかりますから、お気になさらないでください。それより、これからのことを話しましょう。国王様のことは、とりあえず置いておいて……」

 私達に引き止められたクルレイド様は、頬をかきながら苦笑いを浮かべていた。
 しかし彼の気持ちはよくわかる。今までは無理だと思っていたことなのだから、逸る気持ちになるのは当然だ。

「まず前提として、私達には味方が必要です。ランカーソン伯爵夫人を擁護する陣営を、抑えなければなりませんからね。お父様も各所に掛け合ってみると言っていましたが、クルレイド様も誰か心当たりはありませんか?」
「心当たりですか……」

 私の質問に、クルレイド様は微妙な顔をしていた。 
 なんとういうか、心当たりがない訳ではないようだ。ただ、何か言い出しにくい事情でもあるのだろうか。