「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。


 私は、強情なアルペリオ兄様に少しだけ驚いていた。
 いくら妹のように思っているからといって、ここまで頑なに婚約破棄するだろうか。
 もちろん、衝動的にそう言ってしまう可能性はある。ただ、ここまで説明しても拒否するのは、いつものアルペリオ兄様らしくはない。

「アルペリオ兄様、どうされたのですか? いつもの兄様なら、もっと理知的なはずです」
「……それは買い被りだ。僕はそんなに強い人間ではない」
「な、何を言っているんですか?」

 私は、アルペリオ兄様に少しだけ失望していた。
 まさか、兄様がここまでわからず屋だとは思っていなかった。しばらく会わない内に、変わってしまったのだろうか。