「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「なるほど、それで俺の元にやって来た訳か」
「ええ、そういうことなんです」

 王都までやって来た私とロンダーは、クルレイド様に何があったかを話していた。
 その話を聞いた彼は、少し苦い顔をしている。もしかして、乗り気ではないのだろうか。

「ロンダー、もちろん俺も協力はしよう。しかしだ、ランカーソン伯爵夫人は手強い。俺はそれをつい最近実感したばかりだ」
「クルレイドさん、それはどういうことですか?」
「先日の件を各所に伝えてみたが、まったく取り合えってもらえなかった。それ所か、父上から釘を刺されたくらいだ。どうやら、兄上が言っていた通り、父上も過去に夫人と関係を持ったことがあるらしい」

 クルレイドさんは、既に夫人の打倒に向けて一度動いた後だったようだ。
 それでどうすることもできなかったため、不安なのだろう。

「……クルレイド様、仮に国王様がランカーソン伯爵夫人と関係を持っていたとして、一体どのような弱みを握られているのでしょうか? 何か、覚えなどはありませんか?」