「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「なるほど、それで二人で私を呼び止めたという訳か」
「ええ、申し訳ありません、ランペシー侯爵」
「いやいや、嬉しく思っているよ。まあ、そういうことならここでは貴族としてではなく父親の友人として、話させてもらおうかな?」
「はい、是非そうしてください」

 私とロンダーは、お父様との話が終わったランペシー侯爵とともにとある客室にいた。
 お父様は彼のことを私達に任せるとだけ言って自室に戻った。恐らく、全てを察してくれたのだろう。

「まあ、二人には色々と迷惑をかけてしまったね。家のアルペリオがすまなかった」
「いえ……それは、おじ様のせいではありませんよ。貴族としてはそうなるのかもしれませんが、あくまでも個人の問題ではありませんか」
「レミアナ、そう言ってもらえるのは嬉しいが、これは本当に私にも責任があることなのだ。私は少し、アルペリオを甘やかしすぎてしまった」

 私の言葉に、ランペシー侯爵はゆっくりと首を振った。
 その表情は暗い。親としては、やはり責任を感じてしまうものなのだろうか。