「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 悪い予感というものに限って当たるものである。アルペリオ兄様に話があると呼び出された私は、そんなことを思っていた。
 目の前にいるアルペリオ兄様は、浮かない顔をしている。それは明らかに、話したくないことを話そうとしているといった感じだ。

「レミアナ、今日君を呼び出したのは他でもない。君との婚約について、話があるんだ」
「アルペリオ兄様、もしかして……」
「ふふ、やはり君にはお見通しか……」

 アルペリオ兄様は、ゆっくりとため息をついた。
 彼が何を言おうとしているのか、私は既に察している。長年の付き合いによって、アルペリオ兄様の考えは大体わかる。

「僕は君との婚約を破棄したいと思っている」

 その言葉を、アルペリオ兄様はすぐに口にした。
 心の準備はしていたものの、いざそう言われると動揺してしまう。