「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 思えば、二人はそこまで親しい間柄ではなかった。姉の友人、友人の弟、希薄な関係性だった二人は、もしかしたらお互いに色々と思う所があったのかもしれない。
 二人の激しい口調から、私はそれを感じ取っていた。

「姉上にとって、あなたは兄のような存在だった。しかしあなたは、婚約破棄という形で姉上を侮辱した」
「侮辱したつもりなどない。ただ僕にとって、レミアナは妹であるというだけだ」
「今のあなたが、兄のつもりなど言わないでください。既にあなたは、兄失格だ!」

 ロンダーとアルペリオ兄様の言い合いに、私は何も言うことができなくなっていた。
 二人の気迫に、気圧されていたのだ。特に、ロンダーの気迫に。
 いつも穏やかで、どちらかというと臆病な弟が、ここまで感情を露わにしている。その事実に私は、喜びと少しの寂しさを感じていた。

「それなら言わせてもらおう。君はレミアナの何を知っているんだ?」