「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 お父様は、ランペシー侯爵と二人きりで話をするようだ。侯爵同士として、色々と話し合わなければならないことがあるのだろう。
 二人が行ってしまったため、私とロンダー、そしてアルペリオ兄様の三人は、初めに招いた客室に取り残されていた。
 その中で、アルペリオ兄様は神妙な顔をしてこちらを見ている。私に対して、なんと声をかけるべきか考えているのだろうか。

「……姉上、行きましょう」
「……ええ、そうね」

 そこで私は、ロンダーの言葉に頷いた。
 別に私達は、いつまでもこの部屋にいる意味がある訳ではない。この部屋はあくまで、アルペリオ兄様が待機する場所だ。

「レミアナ、待ってくれ」
「……」

 そんな私に、アルペリオ兄様は引き止めてきた。
 その声に、私はゆっくりと振り返る。本来ならこのまま立ち去りたい所だが、一応最低限の礼儀として話を聞くとしよう。

「……アルペリオさん、何の用ですか?」