「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「彼とは親密にさせてもらっていますからね。あなたのことを妹のような存在だとよく言っていました」
「……アルペリオ兄様と、どういう繋がりで?」
「友人ですよ? 少し年は離れていますが、私と彼は確かな友人です。それ以上でもそれ以下でもなく、それだけです」
「……本当ですか?」

 私の質問に、夫人は堂々とそう返してきた。
 だが、その答えはそう簡単に信じられるものではない。伯爵夫人と侯爵家の令息、そんな二人が純粋な友人関係なんてあり得るのだろうか。
 色眼鏡で見てしまっているのかもしれない。しかし私は、問いかけずにはいられなかった。

「二人は男女の関係にあったのではありませんか? そういう噂を聞いたことがあります」
「おやおや、ふふっ……」
「何を笑っているんですか?」
「アルペリオが言っていた通り、可愛らしい人だと思っただけです。あの子が婚約破棄するのも当然ですね。あなたは子供ですもの」