「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 アルペリオ兄様に関する新事実がわかったが、私達は旅行を続けることにした。
 兄様のことは気になるが、私達と彼はもう関わりがない。そんな人のことを気にしても無駄だというのが、ロンダーの意見だ。
 その意見には、私も納得している。いつまでもあの人に憧れるのはやめよう。そう思って、私は心機一転旅行を楽しむことにしたのだ。

「ここが、ポルック商会が運営している市です。王都の中でも名物と言って差し支えないものだと思います」
「なるほど、ここが例の市ですか……」

 そんな訳で、私達は引き続きクルレイド様に王都を案内してもらっている。
 王都の名物と名高い市には、一度是非行ってみたいと思っていた。具体的に買いたいものなどは決まっていないが、色々と見て回ってみるとしよう。

「流石名物だけあって、多くの人達が来ているわね……」
「ああ、各地の貴族も、この市を目的に王都に来るくらいだからね」