「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 部屋に入ってきたクルレイド様は、その動きを止めていた。
 目を丸めて硬直するその様は、少し心配になってくる。一体どうしたのだろうか。

「どうかしましたか?」
「す、すみません。レミアナさんがあまりにもお綺麗だったので……」
「……そうですか? それは、ありがとうございます」

 クルレイド様は、顔を少し赤くしながら私のことを褒め讃えてくれた。
 それには、私の方も恥ずかしくなってくる。ただ、そう言ってもらえるのはとても嬉しい。

「クルレイド様も、よく似合っていますよ?」
「ありがとうございます。なんというか、服に着られているような気もするんですが」
「そんなことはありませんよ。かっこいいです」

 当然のことながら、クルレイド様も正装をしている。特注で作られた同じく純白のタキシードは、彼によく似合っていると思う。