「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 純白のウェディングドレスに身を包みながらも、私は未だに結婚というものに対してあまり実感が湧いていなかった。
 それは恐らく、その出来事によって、私とクルレイド様の関係がそれ程変わることがないからだろう。
 年齢的な諸事情により結婚していなかっただけで、私とクルレイド様は既に夫婦のようなものだった。私もそのつもりだったし、きっとクルレイド様もそうだっただろう。

「まあ、区切りということかしらね……」
「……レミアナさん、入ってもいいですか?」
「クルレイド様? ええ、どうぞ」

 私がそんなことを考えると、部屋の戸を叩く音が聞こえてきた。
 私の準備が終わったことを聞きつけて、クルレイド様が訪ねて来たようだ。

「失礼します……おっと」
「クルレイド様?」