「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 もしかして、彼は知っているのではないだろうか。ギルドルア様がこういう表情をしているということは、そういうことであるような気がする。

「兄上、心当たりがあるのですか?」
「子供の父親に関することだが……それについては、追及するべきではないことだね」
「どういうことですか?」
「追及してもメリットはないということさ。判明したとしても、左程意味はないことだからね」

 クルレイド様からの質問を、ギルドルア様は受け流していた。
 やはり彼は、子供の父親について知っていそうだ。知っていながら、真実を伝えるつもりはないということだろうか。

「……アルペリオ侯爵令息や、ランカーソン伯爵が父親だということですか?」
「さて、どうだろうね?」
「兄上は秘密主義者ですね……」
「僕にも色々とあるのさ」