「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 ギルドルア様の質問に、クルレイド様は短く返答を返していた。
 ランカーソン伯爵夫人には、既にマルセアさんの言葉も含めて伝えている。色々と思う所があったはずだが、彼女は穏やかに話を聞いていた。

『……安心することができました。彼女に任せられるなら、この子もきっと大丈夫でしょう。お二人とも、本当にありがとうございました。それから、申し訳ありませんでした。遅くなりましたが、これまでの非礼をお詫びします』

 ランカーソン伯爵夫人は、私達にお礼と謝罪を述べてきた。
 子供が生まれたことによって、彼女も自らの行いを顧みたのかもしれない。もしくは義理だろうか。とにかくなんというか、殊勝な態度だった。
 このまま彼女が更生してくれるならいいと思う。もっとも、それは最早私達が与り知る所ではないのだが。