「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「なるほど、マルセア女史はランカーソン伯爵夫人の子供を受け入れたのか……」
「ええ、マルセアさんの中には、夫人への情がまだ残っているようです。まあ、本人と和解できるかはまた別の問題であるようですが……」
「まあ、苦楽をともにした仲間である訳だからね。色々と複雑なのだろう。少なくとも子供には罪はないし、義理で引き取ったといった所かな?」

 私達の報告に、ギルドルア様は笑みを浮かべていた。
 この結果は、彼にとっては満足がいくものだったようだ。私達に話した時はかなり焦っていたし、問題が解決して安心しているのかもしれない。

「マルセア女史に任せておけば、まず問題はないだろう。彼女は信頼できる人だ。秘密を漏らすこともない。隣国であるというのもいい点だ。こちらの国よりも、事情はわかりにくいだろう」