「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 その筋では高名な彼女であるなれば、色々な伝手はあるだろう。協力してもらえるなら、そうしてもらった方がいいかもしれない。先程も言っていたように口は堅いだろうし、私達にとっては心強い味方になってくれそうだ。

「とにかく、子供はランカーソン伯爵夫人から切り離さざるを得ません。彼女の子供というだけで、色々な風評被害を受けるでしょうからね」
「まあ、それはそうですよね……国家に反逆した伯爵夫人の娘なんて」
「先程述べたのは、案の一つに過ぎません。まあ、あなたが断るというなら、改めて考えるつもりです」
「そうですか……」

 クルレイド様の説明を聞いたマルセアさんの表情は、かなり曇っていた。
 ランカーソン伯爵夫人の子供が置かれている厳しい状況に、心を痛めているのだろう。