「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 おじ様にもいえることだが、お父様は案外寂しがり屋だ。私が出て行ってから、ぼうっとすることも増えているとロンダーからも聞いている。
 やはり寄り添う人がいた方がいいのではないだろうか。ここの所私は、そんなことを考えている。

「といっても、相手の候補がいる訳ではないですから、なんとも言えないことなのですけれど……」
「その辺りに関しては難しい問題ですね。まあ、ロンダーが婚約したりしたら状況も変わってくるでしょうし、気長に考えた方がいいのかもしれませんね」
「ロンダーの婚約ですか……それもいつか決まるんですね。なんだか不思議な気分です」
「姉としては、やはり複雑な心境ですか?」
「そういう訳でもないですけれど」

 クルレイド様の言葉に、私は苦笑いを返す。
 そんな風に話をしながら、私達は長い旅路を進むのだった。