「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 私とクルレイド様は、マルセアさんと話をするために隣国に向かっていた。
 今回の件は、限られた人にしか知らされていないことだ。手紙に残したくもないことであるため、私達が自らマルセアさんの元に行くしかないのである。
 長く領地を離れることには少し不安晴が、その辺りはギルドルア様やエルライド侯爵家も協力してくれているし、多分大丈夫だろう。

「ロンダーも随分と立派になられましたね。エルライド侯爵は変わっていませんでしたが……」
「ええ、私も知らない内に、成長しているみたいですね」

 馬車の中で、私はクルレイド様と話をしていた。
 こうして二人で話していれば、長い旅もすぐに終わるだろう。楽しい時間というのは、あっという間なのだから。