「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 そこで私達の前に、一人の女性が現れた。
 その女性のことも、私達は知っている。おじ様と懇意にしている商人のメレティさんだ。

「メレティさん、お久し振りです」
「レミアナ様にクルレイド様……お、お久し振りです。まさか、こんな所でお二人とお会いするなんて……」

 メレティさんは、おじ様を商人の道に引きずり込んだ張本人だ。
 以前から懇意にしており、その縁もあっておじ様を新たな道へと誘ったらしい。
 そんな彼女が、おじ様に想いを寄せていることは明らかだ。少々年は離れているが、その想いはずっと変わってないようである。

「こちらも根気よくといったという所でしょうかね?」
「まあ、そういうことですかね……」

 私とクルレイド様は、小声でそんな会話をしていた。
 こうしてここに二人で来ているということは、恐らくそういうことなのだろう。おじ様は色々な理由から彼女の想いに応えていなかったようだが、根負けしたということかもしれない。
 それも私にとっては、嬉しいことである。おじ様が身を固めてくれるというなら、なんというか色々と安心できるのだ。