「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 こういう言い方は変かもしれないが、彼女も私達に少しだけ心を開いてくれたということだろう。

「それで、クルレイド殿下は何が聞きたいのでしょうか?」
「……まず聞きたいのは、この子の父親のことです」
「ああ、そのことですか……」

 クルレイド様の質問に、ランカーソン伯爵夫人はばつが悪そうな顔をしていた。
 ただ彼女は、何かを考えるような仕草をしている。今の彼女は、私達の質問にしっかりと答えようとしてくれているようだ。

「……正直わかりかねます。父親の候補が多すぎるので」
「兄上からもそう聞きましたが、本当にわからないものなのですか? 何人かに絞ることはできないのでしょうか?」