「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「……まさか、あなた達と再び顔を合わせることになるなんて思っていませんでした」
「ええ、それは私もです、ランカーソン伯爵夫人」

 ギルドルア様との話を終えた私達は、王城のとある一室に来ていた。
 秘密裏に出産などを行ったため、ランカーソン伯爵夫人は牢屋ではなくある程度整備された部屋にいる。一時ではあるが、彼女は自由を手に入れているのだ。
 私が知っている夫人なら、そういう時にはもっと余裕な態度をする。ただ今の彼女からは、自由を謳歌しているといった感じは全くない。

「ランカーソン伯爵夫人、俺達は兄上に言われてここまで来ました……その子が、あなたの子供ですか?」
「ええ」
「……可愛いですね。女の子ですか?」
「そうです」

 クルレイド様と私からの質問に、ランカーソン伯爵夫人は素直に答えてくれた。