「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 私とクルレイド様は、ランペシー侯爵家の領地のことで大変だった。ギルドルア様は、それを考慮してくれたのだろう。
 それは私達にとってはありがたいことではある。少し前に頼られていた場合、それを受け入れられたかどうかは微妙な所だったからだ。

「それで俺達に頼みたいのは、子供の処遇ということでしょうか? その子供は要するに大罪人の子供となる訳ですし、兄上はそれを秘匿したいと思っている」
「ああ、概ねその認識で正しい。生まれた子供に罪はないが、彼女の子供というだけで迫害される可能性もある。僕はそれだけの罪をランカーソン伯爵夫人に押し付けた訳だからね」

 ランカーソン伯爵夫人は国家に反逆し、この国を揺るがした大罪人ということになっている。その彼女の子供は、色々と言われるだろう。
 いや、言われる所では済まないかもしれない。実際に危害を加えられる可能性もある。